さて、「なぞなぞ」です!
「つかえば、つかうほど元気になり、大事にしまっておくと眠り込み、つかいすぎるといなくなるもの、なあに?」

タイトルからして「五感」でしょ~。

はい、簡単すぎましたね。
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)は、使えば使うほど活性化し感性が磨かれる。使わないと機能は低下。逆に使いすぎると感覚を鈍らせる。
例えば、美しい景色や自然の音は心豊かにする。でも過剰なスマホ利用は視覚疲労を、大音量を聴き続けると難聴を引き起こす。運動不足は触覚を鈍らせ、味気ない食事は味覚を退化させるなどなど。
五感は私たちが生きる上で欠かせない感覚ですが
その五感の使い方によって
「えっ、あの人ってこんなふうに世界を見てたの?「こんなに世界って豊かだったの?」なんて
思える瞬間が増えたら、毎日がもっと面白くなるような気がしません?
こんな本を、読みました。
この本は、あなたの感覚の偏りをチェックし、人生をもっと豊かにするヒントが詰まっていました。
五感の偏り、気づいてますか?
無意識に使っている五感ですが、自分が五感をとおして経験しているこの世界と、同じ時空間を共有した他者が経験している世界は同じだと思っていません?
他の人が自分とは全く違った五感の用い方をしているかも・・・なんて、想像も確認もしないですよね。

でも著者は、五感は人それぞれ偏りがあって個人差があると言うんです。
たとえば、森の中を歩く場面をイメージしてみてください。あなたはどんなふうにイメージするでしょう?
目の前には木々が生い茂り、葉のすき間から光が差し込んでいる(視覚)。
鳥のさえずりや風が葉を揺らす音が聞こえてくる(聴覚)。
土の匂いや木の幹の湿った香りがふわっと漂ってくる(嗅覚)。
空気を吸い込むと、ひんやりとした森の空気が喉を通り抜ける(味覚)。
手を伸ばせば、木の皮のざらざらした感触や、足元のふかふかした落ち葉を感じる(触覚)。
私の場合、視覚、聴覚、嗅覚は上記のようにイメージできましたが、味覚、触覚はあまりイメージが湧いてきませんでした。
つまり、どの感覚が強く働いているのか、また働いていないのかが、ここでもわかりますよね。

ボクも、味覚、触覚はイメージわかなかったな~。
そういえば、学生時代、先生が黒板に字を書きながら、こんなことを言っていたのを思い出しました。

人は五感の中で、強いところと弱いところがあってね、私は目が悪いからその分、耳は結構いいんだよね。そこのあなた、今コソコソ話してたでしょ。聞こえてたよ。
コソコソ話してたのは私の前に座ってい子。かなり小さな声で話してたのに、その内容が聞こえていたとはびっくりだったのを覚えています(笑)
現代人は視覚、聴覚に偏っていると言われますが、だからといって、多くの人の感覚が同じかといえばそうでもなく、
たとえば傾向や好みで言うと
視覚→写真や絵を見るのが好きか、文字を読むのが好きか
聴覚→音楽を聴くのが好きか、自然の音に耳を傾けるのが好きか
嗅覚→香水やアロマが好きか、食べ物の匂いに敏感か
味覚→色々な料理を試すのが好きか、特定の味付けを好むか
触覚→マッサージが好きか、自然の素材に触れるのが好きか
また強弱でいうと
視覚
強い→色や形の変化に敏感、写真や絵を見るのが好き
弱い→景色の変化やデザインに無頓着
聴覚
強い→音の違いに敏感、音楽や自然の音が好き
弱い→周囲の音に鈍感、言葉より視覚情報で理解しやすい
嗅覚
強い→香りや匂いの違いに敏感、食べ物や場所の香りをすぐに感じ取る
弱い→味に鈍感、香水や花の香りに無関心
味覚
強い→味の違いを感じ取る、食のこだわりが強い
弱い→味に鈍感、食感や見た目を重視しがち
触覚
強い→肌触りに敏感、マッサージや素材の違いを感じる
弱い→手で触れるより、視覚や聴覚で判断することが多い
などなど、生まれ持った傾向や好み、強弱、それに付随した経験により形成されていく五感は、みんな同じじゃないと著者は言います。
そして、その個人差があるからこそ、こう言うんです。
五感によって外界から情報を得て、それによって状況判断し、次の行動を選択しているのです。ある感覚があまり働かないと、その感覚が与えてくれるはずの情報は減少します 。

つまり、五感の偏りは情報の偏りとなり、私たちの判断、選択、行動まで影響を与えてる可能性は無視できないと言うんですね。

ちょっと新鮮な視点だね~
眠っている感覚を意識すると、体験が変わる
そしてね、こう続きます。
自分の五感の用い方を知り、まだ十分に活用していない感覚を意識的に用いることで
日頃自分があまりしない行動や選択も視野に入り、それが自己成長や変革の第一歩になる。

著者は「五感力とは、目の前の現実から情報を引き出す力」だと言います。
これまで当たり前のように使っていた五感を「意識して」使うことで、体験の世界がぐっと広がり、日常や人生そのものにも変化が生まれると。
自分を変えるとか、成長するとかって、つい「考え方を変えなきゃ」や「新しいスキルを身につけなきゃ」って思いがちだけど、
それだけじゃなくて五感からのアプローチもあるんだなってことが、この本を読んで思いましたね。

変化することに五感が味方になるのか~。
感じる力を育てる簡単トレーニング
この本には、自分が普段どんな感覚をよく使い、どんな感覚をあまり使っていないのかを知る「チェックリスト」もありました。
私の場合だと、視覚、聴覚、嗅覚がよく使われていることがわかりました。
なのでそこを「意識的に」使ってみると、自分の感じる世界がガラッと変わるかもしれない。
この本では、五感を磨くトレーニング方法もたくさん書かれていたんですね。
視界なら「目玉おやじ体操」とか
聴覚なら、雪の日や、静けさの中で音を感じてみる、とか
嗅覚なら、雨のにおいを感じてみる、とか
味覚なら、何を食べたいか?を自分に問う、とか
触覚なら、肌触りのいいものを触ってみたり、手を使う、とか
五感を深める行動として、温泉、瞑想、陶芸、編み物、お菓子作り、園芸、山登り、散歩、美術館巡りから
五感を深める遊びとして
スケッチ、五感俳句、五感曼荼羅、五感マップや五感日記などなど、楽しみながら五感を磨けるものもたくさん書かれていました。
なかでも「五感日記」なら、すぐにできそうかもと思ったのでご紹介しますね。
五感に意識を持っていくための日記として
1週ごとによく使う感覚をひとつ選ぶ(あまり使われていない感覚がいい)
その感覚を意識して一日一回は使う。続けていると自然に意識が五感に向くようになる。
また、こんなふうにもアレンジできるかなって思いました。
自分の現状を知るために
1週目は、どの感覚をどう使っているかの観察記録をしてみる。
たとえば、ブログ書く→パソコンの画面を見ることに集中して視覚を使ってるが、キーボードに触れる手先は意識していない、とか
食事のとき→スマホ見ながら食事してるから、視覚ばっかり使って味覚は意識してないとか。
で、2週目は、1週目にあまり使われていなかった感覚を意識的に使って記録する、など。
自分なりにいろいろ工夫してみるのも面白いかもですね。
はじめからすべての感覚に焦点を当てるのは難しいので、少しずつ自分の五感の偏りに気づき、使っていなかった五感を磨いていったら
どんな新しい発見があるのか。どんな世界がみえるのか。ワクワクしながらそのプロセスも楽しめるといいなって思いました。
さて、あなたと私では、どんな五感の違いがあるんでしょうね。
まとめ
- 五感の使い方には偏り、個人差がある
- 自分の偏りを知り、あまり使われていなかった五感を意識的に使っていくことで体験の世界がぐっと広がり、日常や人生そのものにも変化が生まれる