SNSの利用者がどんどん増え、顔出しして自分をオープンにしている人たちを見ると、すごいなっていつも思うんです。
よく「自己開示しよう」とか「壁をなくそう」とか言われるじゃないですか。
私は苦手。オープンにできる人がうらやましい・・・。
私もです!何を恐れているんだ~って感じです。
私が気にするほど、人は私のことなんて、だーれも、なーんにも、気にしてないし見てないのにね。超自意識過剰な女ですわ(笑)
自己開示してしまえば、あっけなく、あれ?こんなもん?ってことにもなるでしょう。
50代の私が、以下の著書をよんで、自己開示できなくても、まいっかと思える気づきがあったので、お話します。
どうぞ、お役に立ちますように・・・。
壁があってもいいと、許し合える仲間と環境
著者の今中さんは、知的障害のあるアーティストたちが創作活動をするアトリエ「インカーブ」を設立し、ご自身も下肢に障がいをかかえた方なんですね。
そんなご自身の体験談や、知的障がいのあるアーティストたちとの関わり合いの中で、日々感じたことが綴られているこの著書は、
ちょっと独特なんですが、とても心を揺さぶられた内容でした。
著者は言います。
アトリエ「インカーブ」のアーティストたちの中には、かたくなに作品を他者に見せることや販売することを拒む人がいる。
内容を知りたくて聞き取りをしても、いっこうに口を開きません。作りたい時に作り、手を止めたい時は止める。
引用:「壁はいらない、って言われても」
これ読むと、まさしくインカーブにいるアーティストたちは「好きなように生きている人たち」だと私には思えました。
それが許される環境だからじゃない?
「許される」というより、アーティストたちがお互いのことを「許しあっている」仲間だからだと、著者は言います。
大切なことは語らず、胸の奥底にしまっておけばいいと許しあえる仲間だったから。
引用:「壁はいらない、って言われても」
そんな許し合える仲間たちだから、ユニークなコミュニティが長く維持できている、とも語っていました。
こんな環境、素敵だなって私は思ったんですよ
心のバリアフリー 全部をさらけ出すことだけが幸せになる行為ではない
インカーブは、壁があってもいいと許しあえる仲間や環境だということ。
私のまわりの環境は、そうじゃないし。
自分が今いる現実世界では、「許し合える」仲間や環境じゃないかもしれません。
でもまず大事なのは、そんな世界があるということ。
そして、著者のこんな言葉にとても励まされます。
心のバリアフリーになることだけが、幸せになる行為ではない。
(中略)
つながりすぎず、いつも逃げ道を作っておく。
体の一部、心の一部だけを解放し、全部をさらけ出す必要なんてない
引用:「壁はいらない、って言われても」
世間では、「壁をなくしましょう」「自分の弱さをさらけ出しましょう」などと、まことしやかにささやかれますが、
ときに、そんな「正論」が諸刃の剣になることだってあると思うんです。
それができる人はいい。じゃあ、できない人はどうすんのよ?
と、私はよく拗ねてました(笑)
著者は決して、「壁はなくさなくていい/あったままでいい」と言っているのではなくて
自分と向き合うための壁を作りつつ、時には壁を壊してもいく。そのバランスを保つために壁は必要かもしれないと、言っています。
つまり、壁は障壁ではなく、自分自身の心のバランスを保つためのものとして「壁はあってもいい」んだと、私は解釈しました。
そう捉えることができれば、少しはラクになりませんか?
そんなふうに壁をとらえてもいいんだね。
自己開示してもいいと思えるような状態(=壁があることは問題ではない)を先につくる
私は、壁はなくさなければいけないと、壁は障壁だと、思い込んでいました。
だから、それができない自分に凹むこともありました。
でも、壁をなくすことが大事じゃなくて、壁があってもいいって思うことの方がずっと大事なんだなと、この本を読んで思ったんです。
そもそも、このアトリエ「インカーブ」にいるアーティストたちは、壁があることを問題にはしていません。
「壁がなくせない・・・」と思うから問題なのであって、「壁が必要、あってもいい」と思えたなら、それは問題じゃなくなりますよね?
この著者の視点にふまえて、こんなふうにとらえてみたらどうだろうとと思いつきました。
私は「自己開示できない」じゃなくて、「自己開示しません」。それが何か?
これもいいかもしれません。
私は、ミステリアスな女(男)なんです。文句ある?
こんな感じじゃない~??(笑)↓
要は、「今は、こうしたいから、こうしてる。以上!」、それでいいんですよ。
自分に許可を与えるんだね
そうです。壁があってもなくても、元気に過ごしていいし、幸せになってもいい。いや、なれるし。
見方が変われば、世界は変わるとは、こういうことです。
そして、見方が変わってくると「自己開示してもいいかな」と思える瞬間がくるかもしれません。
自己開示しなきゃ~ではなく、してもいいかな、とそう思えたときにすればいい。
つまり、自己開示してもいいと思えるような状態を先につくる、ということです。
まとめ
- 壁があっても許し合える仲間や環境が、この世界にはある。
- 心のバランスと保つために、壁は必要。あってもいい。
- 壁をなくさなきゃいけないと思うと問題になる。壁があってもいいと思えたなら問題ではなくなる。
- すると「自己開示してもいいかな」と、結果的に壁がなくなってしまうかもしれない。
- 壁をなくさなきゃ、より、自己開示してもいいと思えるような状態を先に作る。それは、壁はあってもいいと、今そうしたいからそうしてるんだと、自分に許可を与えること。
凝り固まった思い込みをやわらかくほぐしてくれたこの著書。おすすめです!