職場で上司や先輩に怒らられたとき、「あ~、なんて自分はダメなんだろう・・・。」って落ち込んだり。
また怒られはしないかとビクビクしたり。単なるミスが自分の人格まで否定されたような、そんな気分になってしまうことってありませんか?
私もよく怒られて凹んでました。(笑)
「あんた、あかんね」なんて言われた日にゃ、どれほど傷ついたことか・・・。
こちらの著書をヒントに、のの的視点も加えて
こんな自分でも大丈夫、立ち直る視点
について、50代の私が、今までの人生経験とたくさんの読書から得た視点もふまえて、お話します。
どうぞお役にたちますように・・・。
同じ状況なのに、落ち込む人と落ち込まない人の違い
冒頭に書いた「あんた、あかんね」の言葉。
私が社会人1年生の頃に、お客さんから投げかけられた言葉なんです。
その言葉に「あなたは仕事ができないダメ人間だね」と言われたような気がして、とっても傷ついたのを覚えています。
今でも何か失敗すると、その言葉がよぎることがあるぐらい、当時はほんとに傷つきました。
でもね、当時、私の同僚で、上司から怒られていても、私のように傷ついている様子じゃない子がいたんです。
その怒った上司は、いつも怒鳴り声で威圧的な感じで、私は苦手なタイプ。
そんな上司から彼女は怒鳴られていました。すると彼女、こう言い返したんですよ。
そんなこと言われたって、はじめてのことなんですから、わかるわけないじゃないですかっ!
傍でそれを見ていた私はもうびっくり。その上司も彼女の言葉に「ま、まあ、そうだな・・・」って。
あとで彼女に「よく言い返したね、私ならできないわ~」と言ったら
「だって本当にわからなかったんだもん。思わず言い返したわ。」って、晴れ晴れしい顔でそう笑って言ってたんですね。
つまり、同じ怒られたという状況でも、私は傷つき、そして傷ついたことをずっと引きずる。
かたや彼女は、カラっとして傷ついている様子も引きずっている様子もない。
彼女のようにふるまえってこと?
それができたら苦労しないよ~。
ですよね~。私も彼女のように言えたら、どんなにいいかと思ったものです。
でも、今回ここでお伝えしたいのは、言える自分になるんじゃなくて、言えなくても落ち込んだときにどう立ち直るかについて、お話しますね。
落ち込むことを、選択している
【人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論】渡辺奈都子 著
この本では、選択理論心理学といって、私たちはどんな行動であれ、自分でその行動を選択しているのだと著者は言います。
しかし、選択しているという自覚はなく、無意識に出てくる行動であり、言い換えれば使いなれた習慣であると、著者は説明しています。
つまりこういうことです。
私が怒られて落ち込んだのは、私がその落ち込み続けることを選択しているということです。
私の友人が落ち込まないのは、彼女が落ち込まないという選択をしているからなんです。
え~、なぜそんなイヤな感情を選択してるの~?
著者は、その理由について、こう言っています。
落ち込む行動にもメリットがあるから。
例えば、落ち込むことで誰かに気にかけてもらえたり、なぐさめてもらえたり。もうこれは無意識レベルです。
そして人は経験したことのない未知なことに対して、あるいは急激な変化について、それらを受け入れたくないという現状維持バイアスというのも無意識にはたらきます。
どんなに自分にとって不利益なことでも、無意識ではそこにメリットを感じ、なおかつその状態をキープし、変わりたくない、変わらなくてもいい理由を手に入れて安心したいのです。
「習慣」「脳のクセ」ととらえると、わかりやすいかもしれませんね。
自分のダメなところにばかりにフォーカスするメリットと、それを維持し続けてしまう習慣がある、ということです。
え~!じゃあ、どうすればいいの~?やっぱり落ち込みたくないよ~
そうですよね。
だから著者は言います。
いやな感情になることは避けられないが、どれくらい落ち込み続けるかについては、自分で選ぶことができるのです。
人間関係で不快な感情になることは誰だってあります。それは避けられない。
でも、その不快な感情をし続けるかどうかは、選択できるということです。
ゆっくり、とらえ直す・・・私の場合
今までは不快な感情を選択し続けていたんだ(そういう習慣だったんだ)、ということがわかっただけでも、もう半分乗り越えたようなもんです。
あとは、ゆっくりそんな自分と向き合い、選択しなおせばいいんです。
ただ長い間しみついた習慣ですから、少々時間がかかるかもしれません。
ここからは、私が不快な感情に陥ったときに行っていることをお伝えしますね。
参考にしていただければ、嬉しいです。
不快な感情が起こったとき
①まずは今の不快な感情に気づいて感じまくる。
ムカつく~!だって〇〇なのに~!など、直接相手に言えない私は、こっそり一人で吐き出します。
嫌いな相手、イヤな相手への不満、愚痴、なんでも吐き出します。
ムカつく!!
なんて私ってダメなんだろう・・・。
②気持ちを深堀りをして、不快な気分でいる自分を俯瞰する。
「何が、どういやだった?」「なんでそれがいやだった?」「なんて言われてる気がした?」など
自分に問いかけながら、紙に自分の気持ちを書いていきます。
そのうち、「あ~、私は今、すっごい不快な気分なんだな・・・・」と俯瞰できるようになります。
③少し時間がたったら、こう問いかけます。
この感情を選択しつづける? それとも別の感情を選択する?
落ち込みが大きいと、ここでもまだまだモヤモヤする気持ちがあると思います。でも大丈夫。
この問いかけをする意味は、いつもの自分の習慣に気付かせるために行います。
自分の状態を俯瞰させるために、この問いかけを自分にしてみてください。
でも、落ち込まない感情を選択したくても、どうしても落ち込む感情が頭から消えないよ~
④自分がラクになる言葉をみつける。
そうですよね。逆説的だけど、「落ち込み続けちゃダメだ!」「もっとポジティブな感情を選択しなおさなきゃ!」だと、意識は不快な感情にフォーカスし続けたままになります。
ポイントは、無理くりポジティブになろうとしない、こと!
そして、自分にこう問いかけてみてください。
どんな言葉がけをしたら安心できる?
イメージしにくいなら、自分みたいな人が同じ悩みを抱えていたら、あなたはどんなふうにその人に語りかけるか、想像してみてください。
たとえば、なかなかこの不快な感情はおさまらない。どうにもいい気分にならないなら
「OK!OK! じゃあ今は、気のすむまで落ち込もうよ!」とか
「あと30分だけ落ち込もう!」とか
「不快な感情はそのまま脇においておこう」とか
「気づけただけでも一歩すすんでる」とか
自分をゆるませる言葉、ホッとさせてくれる言葉、を探してみてください。必ずあるはずなんです。
それは、あなただけにしかわからない。
なかなかその言葉が出てこないなら、その感情から少し離れてみるのもありです。
散歩にでかけてみたり、音楽聞いてみたり、好きなマンガよんだり、誰かに今の気持ちを聞いてもらったり。寝る、でもいいですね。
徹底的に自分に優しくしてみてください。
落ち込み続けるのは、「使いなれた習慣」でそうしてしまっているんだけなんですね。
では最後に、自分をラクにさせてくれる、また別の視点をお伝えしますね。
怒られた人のやり方が、好きな人もいる
【もしも人生が一度きりだとしたら。もしもそれが、「もしも」じゃないとしたら。さとうみつろう 著】
上記の著書の中に、こんなエピソードが書かれてました。
あるお店でのこと。新人のウエイトレスが店長に怒られていました。
3番テーブル!
空いたお皿があるだろ! もっとこまめに、サービス回れよ!
仕事にまだ慣れてない新人の彼女は、怒られながらレジの横でモジモジ。
で、著者が料理を取りにテーブルを立った時
その彼女は、今だとばかりに、空いたお皿を下げにきて 著者が戻ってくる前に、そそくさと厨房へ逃げ込んだと。
怒られないように、ちゃんとやらなきゃっ!
そんな彼女を見て、著者はこう思ったそうです。
「空いているお皿、お下げしましょうか?」 と何度もテーブルに来る店長よりも
僕は、 彼女のやり方のほうが、 好きだった。
これを読んで、私もこんなことを思い出したんです。
よく行くお気に入りのカフェがありまして
ここはいつも静かで、時間がとってもゆっくり流れているような、そんな素敵なカフェなんですね。
そんなカフェに行ったある日のこと
そのカフェは、先に受付でオーダーをして会計をすませるんですが
受付に座っていた店員さん(女子)は、気持ちよさそーに、こっくりこっくりと居眠りしていたんです。
起こすのが悪いなって思うほど、ほんとに気持ちようさそうに(笑)
「あの・・・すみません・・・」って声をかけたら
びっくりした様子で飛び起きて、「い、い、いらっしゃいませ・・・」って。
私は思わずクスっと笑ってしまいました。
常識的なことを言うなら、仕事中に居眠りするなんて・・・ですよね。しかも接客業。
その彼女も、居眠りしているところを店長さんに見つかったら怒られるかもしれない。
でもお客である私は、なんだかすごくほっこりした気分になって、全く不快じゃなかったんです。
むしろ、おだやかな時間が流れているようで、その空気感がとてもいいな~とさえ思ったんですね。
誰かのやり方だけが、正しいとは限らない
著者はこう言います。
怒られても、落ち込まないで良い。
あなたの「やり方」 のほうが、好きな人が絶対にいる。
誰かのやり方だけが、正しいとは限らない。
励まされる言葉ですよね~。
著者が思ったように、そして私も感じたように
誰かにとってイラつく行為でも、他の誰かにとっては好感がもてることって案外とあるのかもしれないということです。
それに、逆に言えば、傷つくあなただからこそ、自分と同じように傷ついてる人の気持ちに寄り添えますよね?
傷つかなかった私の同僚みたいに、「言い返せばいいのよ~」なんて軽く言われても、モヤモヤはおさまらない。
それに、落ち込みひとつ知らない強靭な人に、あなたは心を許したいと思いますか?
「そうだよね、わかるよ。私も同じようなことがあったからさ~」なんて言われると、自分だけじゃないんだって、ちょっとホッとしませんか?
だから、落ち込むことがダメじゃないんです。落ち込んでもいいんです。大事なのは、その後です。
落ち込んだままの自分を選択しつづけるかどうか・・・です。落ち込む自分もいる。でも大丈夫。
こういう視点とを持つことで、自分をラクにさせることに、つながるんじゃないでしょうか。
まとめ
- 落ち込み続けるのは、それを無意識に選択し続けている(習慣化されたもの)ということを知る。
- 選択しなおす。とらえなおす。
- しかし、むりくり気持ちをポジティブにもっていこうとしない。じっくりゆっくり、自分が安心できる状態へと自分で導いていく。
- 徹底的に自分にやさしく。
- 人間は感情の生き物ですから、不快な感情はさけられません。不快な感情にならないより、不快な感情があっても大丈夫。
- あなたの行動に好感を持つ人もいる。誰かのやり方だけが正しいとは限らない。
ああ~傷ついた・・・・。でも、落ち込むことだってあるよね。
そう思えた瞬間に、心がゆるみ、ホッとし、大丈夫な私へとつながっていくものだと思います。