誰しも悩みのひとつやふたつ、ありますよね。

ひとつやふたつどころじゃない
私もです! でも最近、悩みとの向き合い方が少し変わるきっかけになった本に出会いました。
それが、片山洋次郎さんの『整体から見る気と身体』です。

著者の「整体」に対する独自の視点は、「悩み」や「問題」の捉え方にも通じるものがあるんじゃないかと思ったんですよね。
今日はそのあたりのことを熱く語り尽くしたいと思います!よろしくっ!
「歪み・偏り」を正すのではなく「活かす」
著者の片山氏は「野口整体」の思想をベースにしながら、独自の整体法を生み出したお方なんですね。
「整体」と聞くと、「歪みを正す」というイメージがあるかもしれません。
もちろん、そういう側面もあるでしょう。でも、片山氏の視点は少し違うんです。

「歪み」や「偏り」を無理に正すのではなく、むしろそれを『いかす』という捉え方をされているんです。
どういうことかというと、
人間は生まれつき「体癖」という、感受性や行動パターン、気の流れにも偏りを持っていると著者は言います。そして、親や社会といった外からの影響を受け、その個性が形成されていく。
たとえ外から見て「歪んでいる」状態に見えたとしても、その個性にはかなり幅があり、私たちはその中で自分なりのバランスを取りながら生きている。そして、元気に過ごせているならそれで十分だと。
つまり、その人がもともと持っている体質傾向を無理に矯正するのではなく、それを活かしながら、その人なりの心地よい状態を目指せば良い、というんですよね。

歪みや偏りも、その人らしさってことか。
「歪みや偏り」を肯定する視点

で、それと悩みと、どう関係があるの?
悩みや問題って、自分で「ここがダメ」「歪んでいる」「偏ってる」と思い込んでいる部分、つまり欠点や弱さだと感じているところと深くつながっている気がするんです。

つまり、自分の中の「歪み、偏り」を否定し、直さないといけないという思い込みが、問題を作り出しているんじゃないかと・・・。
著者はこう言うんです。
「本当は自然にうまくいってしまうのが当たり前」。でもそこに邪魔している何かがある。
整体とは、その流れを邪魔しているものを取り除く技術だと定義しています。

なんかスピリチュアル的な視点だね・・・

そしてこんな言葉に、私は思わずウッっと心が動いてしまいました。
自分はこの方向でいいんだ、それしか自分のエネルギーを発散する方向がないんだ、と自覚したとき、力を発揮できる。
引用「整体から見る気と身体」
どんなに歪んでいても、どんなに偏りがあっても、それでいいんだと「それが自分らしさなんだ」と肯定してみる。そう許可できたときに、ふっと身体が緩み、本来の力を発揮できる。
悩みは、私たちそのもの。そこにしか、私たちのエネルギーを発散させることはできない。
そんな「歪み・偏りを肯定する視点」に、私は深く心を動かされたんです。
人間には、バランスをとる力がある
著者は、私たち人間には生まれつき「バランスをとる力」が備わっていると、言います。
例えば、あくび、寝返り、アレルギー反応、「~したい」という欲求、病気でさえ、すべてバランスをとろうとする行為だと。
著者はこれらを「無意識が意識の中に影響して出てくる、意識的な動き」だと言います。
私たちは日常の中で、無意識に“ゆらぎ”ながらバランスを保って生きているんですね。

なんか健気だね

俯瞰してみると、みんな一生懸命生きてるんだな~って思えてきます。
自分の心や体が、どんな時に、どんな反応を示すのかを観察し、自分自身のバランスパターンを知ることは大切だと、著者は言います。
ゆれながら、ゆらぎながら、生きている
読み終えて思ったのは、歪みや偏りを「個性」として捉えるなら、その個性を活かせばいいはずですよね。でも、私たちはどうしても自分の「歪み」や「偏り」を否定して直そうとしてしまいます。
そして、つい誰かと比べて「あんな風になれたら幸せなのに」と思い込み、勝手に問題を作って悩んでしまうんですよね。

じゃあどうすればいいの?悩むなって言われても悩んじゃうよ
私はこう解釈しました。
もし「悩むこと」そのものが、心のバランスをとろうとする働きだとしたら?
だって、私たちは無意識のうちに、どんな時でもバランスを取ろうとしているんですよ。まるで、バランスを整えるために、自分の歪みや偏りから悩みが生まれているかのように。
だとしたら、悩みや葛藤もまた、自分の歪みや偏りに気づき、自分自身を整えようとする自然なプロセスなのかも、と思えてきたんです。
著者は言います。
体のゆがみを積極的に利用して、気の流れのよい体にすること
引用「整体から見る気と身体」
これを心にも当てはめるなら
歪みや偏りを積極的に活かして、悩みながら、あなたらしいバランスが生まれていく。
そしてそれが「問題だと思っていたことが、実は問題ではなかった」という気づきにもつながっていくんだろうなって。だから、悩んでいてもいい。そう思えました。
まとめ
- 歪みや偏りは正すものではなく「活かすもの」
- 悩みはバランスを取ろうとする自然な反応
- 歪みや偏りが自分らしさとなら、問題が問題ではなくなる