あなたが信じている常識、大事にしている価値観。
「人それぞれ考え方がある」「みんなちがって、みんないい」と頭ではわかっていても、現実では自分と違う言動や価値観にモヤモヤしたり、ガッカリしたり。
つい「普通はこうでしょ?」「なんでわかってくれないの?」と、心の中でジャッジしてしまうことありませんか?

あるある~。
私も、あるあるでーす!
そんなときにこそ観てほしい映画があるんです。それは、こちら。
- 私が間違ってる? それとも、あの人の方が違う?
- 自分と異なる常識や価値観をもつ人と、どう付きあっていけばいいんだろう。
というモヤモヤのヒントになりそうなこの映画を、ちょっとだけネタバレも含めてご紹介しますね。
「神様探し」の旅が示す、信じることの危うさと滑稽さ
『PK』は、2014年公開のインド映画。
映画『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニ監督と主演アーミル・カーンのコンビが再びタッグを組んだこの作品。
主演のアーミル・カーンさんって、「きっと、うまくいく」では20代の大学生を演じていましたが、当時の実年齢は40代だったというから驚きです。本作でも、宇宙人というユニークな設定ながら、彼のチャーミングな演技が光っていました。
この物語は、地球人にとっての常識が、宇宙人(PK)にとっての非常識ということを、信仰という重いテーマを扱いながらも、でも大事なことはちゃんと伝わってくるんです。

ひと言でいうと「誰かの常識は、誰かの非常識」とシンプルな真理を、笑いと涙を通して見事に描かれていました。
地球を調査に来た宇宙人が、UFOのリモコンを地球人に盗まれてしまい、それを取り戻すための奇妙な旅から始まります。リモコン探しに地球人に助けを求めるも、かえってくる言葉がコレ。
「神様に聞いてくれ」「困ったことは神様が解決してくれる」「神様にお祈りすればいい」
そこから宇宙人の「神様探し」が始まるんですね。
映画のタイトル「PK」は「酔っ払い」という意味らしく、彼の言動は非常識で理解不能なことから、地球人たちに「こいつはPKか!?」(酔っ払いか?)と言われるんです。
でも、宇宙人にとっては全てが真面目な疑問「どうしてそうなの?」。
この映画の魅力は、日本人にとってもインドの強い信仰心は「自分たちと違う常識」として描かれているので、自然と俯瞰して主人公と同じ目線で観ることができたことなんです。

宇宙人の立場で観られるんだね。
映画を観ていると、自分の常識ではないものを見た時の、あのモヤモヤやイライラが、笑えてくるほど「滑稽なもの」として感じられたんです。
つまり、大きな視点で見れば、それはただの「違い」であり、決して「間違い」ではないだなと。
そう思えるだけで「相手との違いがあって当たり前」と素直にそう思えたんですよね。
「正しさ」を信じたくなる。だから、苦しくなる
こんな描写もありました。
誰もが自分が信じていることが正しいことだと思いたいですよね。思うのならいいんです。でもそれを他人にも強要する。したくなる。

「良かれと思って」なんて言いながらね

そして、自分と違う価値観の人にむかって「恐怖であおる」んです。
「そんなことしたら、これを信じないと、大変なことになるよ」って。あ、私よくやってます(笑)
例えば、こんなことないですか?
身体によい食事を心がけ、そうじゃないジャンクフードばかり食べる人を見たら、病気になって大変なことになるよ、とか
他人に迷惑をかけないようにと心がけ、そうじゃない人を見ると、みんなに嫌われるよ、とか
自分が信じたいものをただ信じていればいいのに、自分の価値観を守りたい気持ちから、違う意見を聞くと不安になる。だから、相手を説得して、自分の正しさを認めさせようとしてしまう・・・。
「ふつう、こうすべきでしょ」「そうじゃないと大変だよ」って。

あるあるなんですけど・・・・
私もです。

それにその思いって、他人に対してだけじゃなく、自分に対しても向けられませんか?
「体にいいものを食べるべきなのに、できなかったよ、大変なことになるよ?」とか。
「人に迷惑をかけてはいけないのに、かけてしまったよ、嫌わられるかもよ?」とかってね。
信じていることが、時に自分への呪縛にもなるなんて・・・・ですよね。
違いにイラっとしたら、宇宙人(PK)になってみよう
この映画を観て、あらためて感じたのは、自分の常識を誰かに押し付けてないか?
何を信じるかは本来は人それぞれ自由なはずなのに、そうわかりつつも、自分の正しさに固執して人との関係を悪化させてしまう。
そんな人間の不甲斐なさや弱さまで俯瞰してみると、滑稽にさえ見えてきました。
誰かの常識は、誰かの非常識。違っていて当たり前。信じているものがただ違うだけ。
私が大事にしているものがあるように、あの人にも大事にしているものがある。
そんなふうに思えたら、少しでも笑って受けとめられたら・・・きっと、私たちはもっとラクに生きられるのかもしれませんね。

イラっとしたら、宇宙人になればいいね

ぜひ、映画『PK』を、宇宙人になったつもりで観てみてくださいね!
まとめ
- 誰もが案外「私の常識は、みんなの常識」だと思っている。
- 時に、自分の常識を疑ってみる。宇宙人になってみよう。
以下に登録すると、観れますよ。検索してみてね。