あなたが信じている常識、大事にしている価値観。
「人ぞれぞれ考え方がある」「みんなちがって、みんないい」と頭ではわかっていても
心の中では、自分と違った価値観や言動に、「それはおかしい」「間違っている」「非常識だ」「普通はこうでしょ」「なんでわかってくれないの?」と、相手をジャッジしたり、ガッカリしてしまうことってないですか?
あるある~。
自分が信じていることと同じ誰かとなら、安心するし嬉しいですよね。
でも、そうじゃないとき、その相違に悩んでしまったり、むかついたり、傷ついたり。
人ぞれぞれだと思いながらも、なかなかそうとも思えず、相手を批判してしまう。そんなことないですか?
むっちゃ、あります。
私も、あるあるでーす!
というモヤモヤに、50代の私が、今までの人生経験とたくさんの読書から得た視点もふまえて、
ヒントになりそうな下記の映画を、ちょっとだけネタバレも含めて、ご紹介しますね。
どうぞ、お役にたちますように・・・。
主人公(アーミル・カーン)のオチャメな姿が面白い!それに同じ目線で観ることができる
「PK(ピーケイ)」2014年 インド映画
「きっと、うまくいく」という映画と、同じ監督ラージクマール・ヒラーニ、同じ主演アーミル・カーンのこの映画。
「きっと、うまくいく」の映画については
『期待に応えられない。でも「きっと、うまくいく」(映画)【ちょっとだけネタバレあり】』で
記事にしています。よかったら、読んでみてくださいね。
主演のアーミル・カーンさんって、「きっと、うまくいく」では20代の大学生を演じていいましたが
当時の実年齢は40代だったというから、驚きです。
今回の映画でも宇宙人という設定で、これまたオチャメな演技で、アーミル・カーンさんの魅力がめちゃくちゃ感じられました。
この物語は、地球人にとっての常識が、宇宙人にとっての非常識ということを、信仰を通じて描かれているんですね。
信仰という、ちょっと重たく扱いにくいテーマを使って描かれているにもかかわらず、それらを全く感じさず、でも大事なことはちゃんと伝わってくるんです。
そして、ひと言でいうと「誰かの常識は、誰かの非常識」ということを見事に描かれた作品でした。
主人公は人間と同じ姿をした宇宙人。地球を調査しにやってきたんですが、UFOを呼ぶためのリモコンを地球人に盗まれてしまい、そのリモコンを取り戻すための旅に出るんです。
そして、街ゆく人々に助けを求めるも、みんな口をそろえて、こう言うんです。
「神様に聞いてくれ」
「困ったことは神様が解決してくれる」
「神様にお祈りすればいい」
引用:映画「PK(ピーケー)」
それから主人公の「神様さがし」がはじまります。
この映画のタイトル「PK(ピーケー)」は、「酔っ払い」という意味で
非常識な主人公の言動を見て「こいつはおかしい。PKか!?」(酔っぱらって頭がおかしいのか?)と、地球人に言われるんですね。
でも宇宙人である主人公にとっては、いたって真面目。見るもの聞くものに「どうしてそうなの?」という疑問をもつんです。
それに見ていて思ったのは、日本の常識とインドの常識も違いますよね?
しかも、熱心な信仰心をもつインドのお国柄ということもあり、日本人で信仰心もそんなにない私にとっても、
主人公と同じ目線で見ることができたんですよ。これがよかった。
何がよかったの?
より、俯瞰して見れたんです。
つまり、自分の常識じゃないものを見たときに、私たちはモヤモヤ、イライラと、怒りや戸惑いが出てくるじゃないですか。
でも、こういう物語という大きな視点で見ると、それらは笑えてくるほど「滑稽なもの」として感じられたんです。
だから「相手との違いがあって当たり前じゃん」って、素直にそう思えたんですよね。
人は自分が信じていることを、強要したくなる。他人にも自分にも
こんな描写もありました。
誰もが自分が信じていることが正しいことだと思いたいですよね。思うのならいいんです。
でもそれを他人にも強要する。したくなる。
そして、自分と同じことを信じない人にむかって、恐怖であおるんです。
そんなことしたら、これを信じないと、大変なことになるよって。
例えば、こんなことないですか?
身体によい食事を心がけ、そうじゃないジャンクフードばかり食べる人を見たら、病気になって大変なことになるよ、とか
他人に迷惑をかけないようにと心がけ、そうじゃない人を見ると、みんなに嫌われるよ、とか
自分が信じたいものをただ信じていればいいのに、そうじゃない人を見ると自分の正しさを主張して押し付けたくなる。ジャッジしたくなる。
「ふつう、こうすべきでしょ」「そうじゃないと大変だよ」って。
あるある。
私もありまくり。特に家族とか、身近な人に対して。
そしてそれって、他人に対してだけじゃなく、自分自身に対してもむけられるんですよね。
「体にいいものを食べるべきなのに、できなかった・・・・」とか。
「人に迷惑をかけてはいけないのに、かけてしまった・・・・」とか。
で、「あ~、なんて私はダメなの~」というオチになる・・・(笑)
信じていることが、時に自分への呪縛にもなるなんて・・・・ですよね。
他人に対してだけじゃ、ないんだね。
正しい答えがあるんじゃなくて、ただ違うだけ
この映画を観ながら、自分の常識を誰かに押し付けてないか?
あなたが、私が、信じてやまないもの。それは誰かにとっては、信じがたいものかもしれない。
何を信じるかは、本来は人それぞれ自由なはずなのに、そうわかりつつも、自分の正しさに固執してしまう。
それも人間ですよね。
だから、しんどいときにこそ、自分の常識を疑ってみる。
正しい答えがあるんじゃなくて、あの人と信じているものが違うだけ。ただそれだけ。
「あなたの常識は、誰かの非常識」。それはとっても当たり前なことで、とっても滑稽なことだいうことも感じさせてくれるとてもいい作品でした。
まとめ
- 誰かの常識は、誰かの非常識。頭ではわかっていても、私たちは自分の常識で誰かをジャッジし批判したくなる。
- そして恐怖であおり、自分の正しさを押し付けたくなる。
- 正しい答えがあるんじゃなくて、違って当たり前。しかも、それは滑稽にさえ思えることをこの映画は感じさせてくれます!
ぜひ宇宙人(PK)になったつもりで、観てみてくださいね~。
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