白内障の手術を受けました。
・・・って書くと、なんだかどこにでもある体験談に聞こえるでしょうが・・・(まあ、そうなんですが(笑))
ここまで来るのに、ずいぶん時間がかかったんです。
ってゆーか、長年生きてきて「手術」なんてことはほぼはじめての体験。しかも「目」。怖すぎる。
そんな気持ちをかかえたまま「白内障かも」と思うまでにも時間がかかり、手術を決めるまでも時間がかかり、決めたら決めたで、今度は眼内レンズ選びで迷いに迷う。
そして、やっと片目の手術が終わったと思ったら「じゃあ、右目はどれぐらいの度数にする?」と、また迷っている(笑)。

これは、何事も納得しないと前へ進めない、超めんどくさい私の白内障体験談の記録です。
もしよかったら、暇つぶしにでも読んでいってください。
※この記事は、私自身が経験したことや、そのとき調べたり考えたりしたことをもとに書いています。見え方や術後の経過には個人差があります。医療的な判断については、主治医の先生にご相談ください。
なんか、見えにくい
白内障の症状を最初に意識したのは、40代後半くらいだったでしょうか。
家電量販店でパソコンの画面を見ていて「あれ?去年よりクリアじゃない?」と感じたのが最初でした。でも、そのときはまさか白内障だとは思っていなかった。
そこから少しずつ、日差しがまぶしい、逆光だと人の顔が見えにくい、明るいところでは全体が白っぽく感じる・・・ということが増えていったんです。
内心、白内障かも・・・?と脳裏をよぎりましたが、手術することを想像すると、「いや〜無理無理」って考えないようにしてきました。
ある日、この見えにくさは、もしかしたらメガネが原因かもしれないと眼鏡屋さんへ行きました。そこでつきつけられたのが、どんなにメガネのレンズをかえても視力が出なかったんです(見えなかった)。眼鏡屋さんからは「一度、眼科で診てもらったほうがいいですよ」と言われてしまい、ドヨ〜ンとした気持ちのまま眼科医へ。
やっぱり白内障でした。
眼科の先生からは、白内障ではあるけれど、私の場合は5段階でいうと3くらい。まだ急いで手術する必要はないという説明。でも生活に困るようなら手術を考えてもいい。そんな感じでした。
この「やってもいいし、やらなくてもいい」っていう診断は、私をさらに迷わせたんです。
「今手術するのと、例えば5年後に手術するのでは、何が違うんですか?」と聞くと「今よりも良いレンズが出ているかもしれませんね〜」と聞いて、また悩む・・・(笑)
どうしよう・・・という私の顔をみて、先生は「迷っているならまだやらないほうがいいですよ」と言われました。「じゃあ、まだいいか」と先延ばし。
その間にも白内障は少しずつ進んでいき、日に日に見えずらくなっていきました。そして、決定的だったのが車の運転時、道路標識が見えにくくなり、信号の色さえ識別しずらくなったこと。たとえ5年後にいいレンズが出てきたとしても、この状態で5年間過ごすのはいやだな。

「やっぱ、手術しよう」そう思いました。
不思議なことに、決めたら手術への怖さが、少し小さくなったんですよね。
★白内障の見え方例↓

そして、レンズ選びの迷宮へ・・・
手術すると決めたら、次は眼内レンズ選びです。これがねぇ、思った以上に悩みましたよ。ええ・・・(笑)
白内障手術では、濁った水晶体を取り除いて、代わりに人工の眼内レンズを入れます。どのレンズにするか、どの距離を見えるようにするかを決めなきゃいけない。
病院によっては、遠くにあわせるか、近くにあわせるか、くらいの選択になるところもあるようですが、私はそれはいやでした。もっと細かく決めたい。だからそれができる病院を選びました。

なんですが・・・。選択肢が多いほど、また迷いも増えるんですよね・・・(笑)
眼内レンズは、ざっくり言うと以下のようなものがあります。
■単焦点レンズ
ピントを合わせる場所を一つに絞るタイプ。コントラストが良い。その代わりピントを合わせていない距離を見るときには、眼鏡が必要になります。
■多焦点レンズ
遠く・近くなど、複数の距離にピントが合うように設計されたレンズ。裸眼で見える範囲を広げられる一方、見え方の質や夜間の見え方など、気になる点もあるようです。
■焦点深度拡張型レンズ
多焦点レンズとは少し違って、ピントの合う範囲を伸ばすことで、遠くから中間距離あたりまでの見え方を広げるタイプ。
上記を比較すると「じゃあ、多焦点や焦点深度拡張型がいいじゃん!」となりそうなんですが、そう単純な話でもないんですよ。
見え方の質、眼鏡との付き合い方、目の状態、そして自分の生活。それぞれメリット、デメリットがあり、いろんなことを考えて選ぶ必要があります。

そして・・・費用も大事なんですよね。ざっくり言うと以下のとおり
・単焦点レンズ……健康保険適用で、片目約5万円くらい。
・多焦点・焦点深度拡張型レンズ……レンズ代は自己負担で、片目約25〜30万円くらい。
※これは、私が手術を受けた当時の、私の病院での費用です。レンズの種類や医療機関によって異なります。また多焦点レンズの中にも、保険適用で受けられるものがあります。
これらを考慮し、私が最初に考えていたのは、健康保険適用の単焦点レンズでした。そして、どこにピントを合わせるか(どの距離を見えるようにするか)でまた悩みました。
手元30cm?40cm?50cm?・・・ ピントをあわせた距離ならメガネは使わずに見えます。
普段、スマホ、本、パソコンなどは裸眼でみたい。遠くはメガネをかければいいっと思っていたので、手元50cmくらいの-2.0Dかなって。
調べなきゃいいのに・・・。いや、知りたい(笑)
この「D」というのは、「デイオプター」という単位で、ざっくり言うとマイナスの数字が大きくなるほど、近くにピントが合う設定と思うと分かりやすいでしょうか。
-3.0D(手元約30cm)
-2.5D(手元約40cm)
-2.0D(手元約50cm)
-1.5D(手元約70cm)
-1.0D(手元約 1m)
-0D(約5m以遠)
ところが・・・。調べているうちに、あるレンズを知ってしまいました。
「テクニスピュアシー」という焦点深度拡張型レンズ。遠くから中間距離までより広い範囲を裸眼で見られる。場合によっては手元40cmぐらい見える可能性があるレンズです。
「え?」となりました。近くもそこそこ見えて、遠くも裸眼で見える可能性がある。それなら、そっちのほうがいいんじゃん?と、なるじゃないですか(笑)
しかも、コントラストについても、単焦点とあまり変わらないらしい・・・らしい・・・。

そして、ここから私のさらなる迷走が始まってしまいました・・・。
ネットでいろいろ調べました。たくさんの眼科医の動画も見まくりました。
今は眼内レンズも進化してきて、見え方をクリアにするだけでなく、その先の「どんなふうに生活したいか」までレンズ選びで実現可能になる。
そんな世界がわかってしまったら、そりゃ迷います。
単焦点レンズがいいのか、焦点深度拡張型レンズ(ピュアシー)がいいのか。近くあわせなのか。遠くあわせなのか。メガネはどこまで許容できるのか。
もう、頭の中がぐるぐる。調べれば調べるほどわからなくなっていきました。
これは、あかん。そこでAIの力を借りて、自分の考えを整理しようと思いたちました。すると、少しずつ見えてきたんですよね。
レンズの比較より先に、考えなきゃいけないことが。
生活の満足度って?
術後にどんな見え方になったら満足なのか。それをイメージできるためには、まず「今の私をあらい出し、何に困っているのか」を整理する必要がありました。
私の生活は、遠くを見ることよりも、スマホ、読書、パソコンなど近くを見る時間のほうが多い。距離でいうと40~50cmくらいかな。テレビや運転など遠くを見るときは、メガネをかけていました。
そして、白内障になってメガネをかけても近くも遠くが見えにくい。どちらも気持ちよく見えないことが、とてもとても困っていることでした。
でも白内障手術をすれば、この「見えづらさ」を解決することができるんです。

そして、これです。
「せっかく手術をするんだから・・・」という、この思いがより迷いをうむんですよね。
なので、単に見えづらさを解消するだけでなく「その先、どんな生活ができたら私は満足なんだろう?」を考えることがレンズ選びにはむちゃくちゃ必要だとあらためて思いました。
じゃあ、私にとっての「生活の満足度」ってなに?なんです。ここが、いまひとつイメージできなかったんです。
選びたかったのは、レンズではなかった。
で、こう考えてみることにしました。

もし、レンズを選んだあとに、後悔するとしたら、どんな後悔?
つまり、満足度が下がることって何だろうって、逆から考えてみました。
・単焦点レンズ(近くあわせ)を選んだ場合
近くから中間くらいは裸眼で見える(だろう)。遠くはメガネをかければ見える(はず)。
後悔→「ピュアシーだったら、もっと遠くまで裸眼で見えたのかな」「もっと世界が広がったのかな」いいな・・・・。
・ピュアシーを選んだ場合
遠くは裸眼で見える(はず)。
後悔→「思ったほど近くが見えななかったら?」「老眼鏡をかければ見えるけど、手元を裸眼で見たかったんだけどな」「こんなにお金をかけたのに・・・」と思うかもしれない。

で、この2つををAIに見てもらうと、こう分析してくれたんです。
「後悔の質が違う」と。
どういうことかというと、
単焦点レンズ(近くあわせ)を選んだ場合の後悔は「もっと裸眼で遠くまで見える生活ができたのでは?」という可能性への未練。
一方、ピュアシーの場合は、
思ったほど近くが見えなかったら・・・。「裸眼で手元を見たかったのに」という、欲しかったものを取りそこねた後悔かもしれない、と。
そう考えると、ピュアシーへの思いというのは「手元をちゃんと裸眼で見えたうえで、遠くもメガネなしで見えたら最高」だったんだな、ということ。
ここでようやく、「あ、私が本当に欲しかったのは、手元を裸眼で見られることなんだ」と気づきました。
そして、もうひとつ満足度を左右するもの
ずっと以前はコンタクトレンズを使っていましたが、老眼が進んできてからはメガネに変更。近くのものを見るときはメガネを外してみる。かけては外しを繰り返す頻度がけっこうあって、これがかなり面倒でした。
だからある時から、遠くを見るとき以外は裸眼で生活していました。裸眼視力は0.1です(笑)。まあなんとかなるもんです。ってゆーか、なんとかなるような生活スタイルだったということです。
なので術後も、なるべくメガネのかけ外しを減らした生活がしたい。
そう思っていました。

ここで、単焦点とピュアシーを「メガネ」という視点から考えてみたんです。
単焦点レンズ(近くあわせ)なら、近くは裸眼、遠くは近視用メガネ。ピュアシーなら、遠くは裸眼、近くは場合によって老眼鏡。どちらも、必要なところはメガネで補うことになります。
じゃあ、私はどちらの生活のほうがラクなんだろう?
そう考えると、スマホ、読書、パソコンなど近くを見ることが多い私は「遠くを見るときだけ近視用メガネ」という今までの生活パターンのほうが、自然なのかもしれない。たとえ遠くまで裸眼で見えたとしても、近くが老眼鏡を頻繁に使うとなれば・・・・。「あれ?私がとてもストレスを感じていたメガネをかけたり外したりが、今度は老眼鏡で復活する?」そんな思いが浮かんできたんです。
いやいやいや、それはイヤだわ。
ここまで考えてくると、やっぱり日常生活で近くを裸眼で気持ちよく見られる可能性を大事にすることの方が、私の生活の満足度を上げるんじゃないか。
そんなふうに、「決まって」きました。
そして、決まった。未練はあるが・・・(笑)
もちろん、実際の見え方には個人差があります。単焦点レンズでも、老眼鏡が必要になる場面はあるかもしれない。ピュアシーでも、思った以上に近くが裸眼で見えるかもしれない。
そんなことは、実際にやってみないとわかりません。でも、私のほしいものは、わかってきました。ここがわかったら、かなりスッキリです。
ということで、単焦点レンズ−2.0D(手元50センチ)ねらいを選びました。
100点満点の選択ではない。ピュアシーへの未練もまだちょっとある・・・ある・・・(笑)。
どちらを選んでも、たぶん未練は残るんですよねぇ。私はそういうタイプなんで(笑)。なので「絶対に後悔しないレンズはどっち?」という答えは、私にはない。
でも、何を大事にしたいのかが、今回悩みに悩んだ結果、わかりました。
ああ、ほんと、ここまで読み返すと、なんてめんどくさいんでしょう、私って・・・(笑) パパっと決められる人がほんとうらやましい〜。でも、これが私なんです。しゃーないです。はい。(笑)

そして、次回はいよいよ手術です!
実際に単焦点レンズを入れてみたら、私の世界はどう見えるようになったのか。手術前に考えていた「見える」「見えない」と、実際の「見える」「見えない」は同じだったのか。そのあたりのことを書きたいと思います。

