自分の思いを言語化するのって難しいですよね。
特に、公の場での自己PRとか、就活での面接時の受け答えとか。
言語化できても、それがうまく相手に伝わっているのか。
そんな疑問に、50代の私が、今までの人生経験とたくさんの読書から得た視点もふまえて、
ヒントにりそうな下記の映画を、ちょっとだけネタバレも含めて、ご紹介しますね。
どうぞ、お役にたちますように・・・。
マニュアルどおりな回答 本当にそう思ってる?
この映画は、朝井リョウのベストセラー小説を原作にしたもので、リアルな就活事情を題材とした物語なんですね。
現代の就活を通してみえてくる人間模様がとてもリアルに描かれていました。
その中で、自分の思いを伝えるという 、集団面接のこんなシーンがあったんです。
面接官は学生たちに向かってこう言うんです。
あなた自身を1分間で表現してください。
引用:映画「何者」より
うわっ!そういうの苦手!しかも1分間なんて超むずい。
ですよね~。私も得意じゃないです。
だから、学校や書籍やらで、エントリーシートの書き方から面接時のマナーや受け答えなど、就活に必要な知識を事前に学び、本番にそなえる。
そんな様子も、この映画では描かれていました。
そして、上記の「あなた自身を1分間で表現してください。」に、学生たちの回答はこんなふうに描かれていました。
常に相手の期待を上回る努力を欠かさずに挑戦し続けたいです。
引用:映画「何者」より
とか
私にとって仕事とは、
より多くの価値あるものを生み出すことと思っております。
引用:映画「何者」より
ひえ~!そんな立派なこと言えないよ~。
ですよね~。とっても立派な受け答えですよね。
物語とはいえ、現実もこんな感じなんでしょうか。
でも、この場面を見て、私が面接官なら、こう思うだろうな~って。
ほんとにそう思ってる?
伝わる言葉は話し方というより、心動かされる本音部分。ある新入社員の言葉
上記のシーンを見ながら、こんなことを思い出しました。
何年か前、夕方のあるニュース番組で、各地での入社式の様子が放送されていたんですね。
ピリッとしたスーツに身を包み、夢と希望を抱く若者たちの面々がそこにはありました。
その中のひとり(仮にAくんとします)に、取材スタッフが、こう声をかけたんです。
これからの抱負は?
すると、Aくんはこう答えました。
多くの人を笑顔にしていけるような仕事をしていきたいです!
ちょっとウル覚えなんですが、このようなことを言っていたんですね。
私は、先ほどと同じように「マニュアルっぽい答えだな~」って思って見てたんです。
そして、もう一人、別の会社の新入社員(仮にBくんとします)にもインタビューしていました。
Bくんはいろんな事情で、なかなか就職先が決まらず、それでもやっと採用してくれた会社で、もうすでに働いていました。
慣れない仕事に先輩たちに怒られてばかり。そんな彼に同じ質問を取材スタッフは投げかけました。
これからの抱負は?
すると彼は、こう答えたんです。
僕を必要としてくれるなら、それだけでありがたいです。がんばります。
Aくんの「多くの人を笑顔にしていけるような仕事をしていきたいです!」というのも決して嘘ではないでしょう。
でも、Bくんの「僕を必要としてくれるなら~」の方が、見てる私の心は動かされました。
なぜなら、Bくんにはうまく話そうとか、そういう意図は感じられず、ただ素直に自分の本音を言葉にしたように感じられ、彼の思いが伝わってきました。
きれいごとじゃない就活。見たくないイヤな自分から引き出される言葉
話を「何者」の映画に戻します。
この物語には、5人の就活生たちが登場するんですね。
すぐに内定をもらう子。なかなか内定がもらえない子。
この「内定」に、若者たちは一喜一憂します。
内定をもらえると、まるで自分を肯定された気分になり、
内定がもらえないと、自分がダメ人間として評価されたような気分になる。
いくら就職は「ご縁」ですよ。なんて言われても、不採用続きだと、そんなふうには思えないものですよね。
この物語の見どころは、なかなか内定がもらえないことへの苛立ち、不安、焦り。
また、先に内定をもらった子への嫉妬や妬みなど、見たくない、認めたくないような人間の弱さや闇が
「SNS発信」「裏アカウント」「●●会社 ブラック」「気持ちわるい」「さむい」「承認欲求」など今の時代を象徴するかのような表現やセリフ、言葉などが盛りだくさんでした。
そして、きれいごとじゃない人間性が就活を通じて描かれ、中でも特に印象的だったのが、主人公にむけたこちらのセリフです。
痛くても今のかっこ悪い自分を理想の自分に近づけようとして、頑張るんだよ。
それができないあんたの姿は誰にでも伝わってるよ。
そんな人、どこの会社も欲しいと思うわけないじゃん。
引用:映画「何者」より
うわっ!むっちゃキツイ言葉~
ですよね。私もこんなふうに言われたら、とても傷つきます。
でも同時に、真意をついてるな、とも思ったんです。
この映画は就活を題材にしてますが、就活だけじゃなく、受験、婚活、妊活など、生きている中で私たちは人と比較して自分の立ち位置を知ります。
人と比較しない方がいいって言われても、してしまうのが人間だと思うんですね。
そして、その比較するときに避けられないのが、見たくない、認めたくない、かっこ悪い自分なんです。
誰しもそんな部分ってあるものです。あるのが人間です。
だからこそ、そのかっこわるい自分なんてないような言葉は、響かない。伝わらない。「へー」で終わるんです。
「ほんとにそう思ってるの?マニュアル通りだな」って。
え~、じゃあどう言えば伝わるの~?
それは自分で考えてね。
就活は、見たくない自分とも向き合わざるをえないできごとのひとつです。
特に、ラストの主人公の言動に私はとても心が動かされました。
あなただったら、そのラストシーンを見てどう思うでしょうか。主人公の未来に、どんな思いをめぐらせるでしょうか。
そこから、ぜひ感じ取って、自分の伝わる思いや言葉を考えてみてくださいね。
あなたは、どんなことに心が動かされますか?
え~、難しいよ~!
今回は就活を題材にした「何者」という映画に、自分の思いの伝え方についてお話しましたが、
結局、具体的にどうすれば自分を思いを伝えることができるのか・・・ですよね?
世の中に「正しい正解」なんてものは、ありまへん。
採用されそうな受けのいい「正解」はあるかもしれませんが、面接官が私のような人間なら、見透かされます。(笑)
私が思うのは、どのようにしたら伝わるのか、というより、どのようなことが人の心に響くのかを考えてみる、ということです。
あなたは、どんなことに心が動きますか? どんなことに心が動かされてきましたか?
今までの人生を振りかえってみてください。人とのコミュニケーションや、本や映画、音楽でもいいです。
良いこともイヤなことも、なぜそこに心が動いたのか。それらを言葉にできるよう考えてみてください。
うまく言えなくても、あなたの弱さやかっこ悪さが見えても、あなたの素直な本音が見え隠れするような言葉に、私なら心が動きます。
それは就活に限らず、どんなときでも人とのかかわりあいの中で、そう思います。
この映画はそんなことを感じさせてくれるとても素敵な映画でした。ぜひご覧になってみてくださいね。
まとめ
- 映画「何者」にみる就活を通じて見えてくる、不安、焦り、嫉妬など、認めたくないイヤな自分。
- 誰しも、そんな闇の部分はある。
- マニュアル通りの回答より、立派な話し方より、イヤな自分から引き出される言葉の方が、誰かの心に響く言葉になる。
- どうやって伝えるかより、どのようなことが人の心に響くのかを考えてみる。
- そのヒントは、あなたが心動かされること。それはどんなことでしょう?
- そして、イヤな自分と向き合うことで引き出されていく伝わる思いが、この「何者」には描かれています。