2022年10月~2023年3月までに放送されていたNHK朝ドラ「舞い上がれ」、ご覧になられていたでしょうか?
いろんな朝ドラを見てきましたが、この「舞い上がれ」は久々に心動いたドラマでしたね~。
この番組の酷評もネットでは書かれていましたが、どんなものでも人それぞれ心動くところなんて
違って当たり前なんですが、私は心動きましたね~。
で、何がそんなによかったわけ?
ではでは50代の私が、このドラマの何にそんなに心が動かされたのか。
そこんとこをちょっと熱~く(?) 語ってみたいと思いまする~。よろしくっ!!
どうぞ、何かしらのお役に立ちますように・・・。
ざっくりな「舞い上がれ」あらすじ
ざっくりとこの物語のストーリーを語ると
内気でいつも母親の顔色をうかがっていた主人公が、あることをきっかけにパイロットになりたい!という夢をもつ。
両親を納得させ、大学中退して航空学校へ。そして航空会社に内定するもリーマンショックの影響で就職が延期に。
同じころ、父が経営する町工場もそのあおりをうけて傾きはじめる。
そして、父の夢がつまった町工場を立てなおすべく、主人公は奮闘していく・・・。
東大阪と長崎の五島を舞台に、夢を追うこと、逆境に立ち向かっていくこと、家族や友だちとの絆、そして恋・・・と、主人公が少しずつ、そしてどんどんたくましくなっていく様が、このドラマの見どころですね。
ん?パイロットになるための成功ストーリーじゃないの?
そんな単純な話でもなくてですね・・・
結果的には、空を飛ぶことにつながっていくんですが、私が心動いたのはそういうところじゃないんですよ~。
想定外な人生
ネタバレになってしまいますが・・・。
主人公は夢見ていたパイロットに、もう、すぐ、手の届くところまできていたんです。
ところが、リーマンショック、父が倒れる、などの出来事によって、父の会社を立てなおしていくんです。
パイロットの夢をあきらめたの?
このあたりは、この番組を見ている人たちの中でも、きっと意見がわかれたはず。
「なんで夢をあきらめるの?」「せっかくここまでがんばってきたのに」
「今までのストーリーはなんだったの~?」とかとか・・・。
でも私は、この展開だからこそ、おもしろかったんですよね~。
主人公がパイロットになることから、父の会社の立てなおしに舵を切ったとき
「なんでそうなるの~?」じゃなくて、「それでもいいんだ」って思ったんです。
だって、人生って自分の想定内じゃなくて、想定外なことの方が多くないですか?
「夢をもつ→夢を追う→夢が叶う」が想定内だとしたら
「夢をもつ→夢を追う→夢が叶う→思ったのと違った」や
「夢をもつ→夢を追う→何かしらの出来事で別の道へ」なんていう想定外のことなんて
人生にはよくあることじゃないです?
このドラマは、そんな想定外だったんですよね。でも・・・。
夢は「自分を生きる」ひとつのピースにすぎない
波乱万丈だからおもしろかったってこと?
いや、そういうことでもなく・・・。主人公が、主人公を生きていたっていうか・・・。
パイロットを目指しているときも、父の工場を立てなおしているときも、主人公はいつもとっても一生懸命なんです。
「どーしても、これをやりたいんです」というセリフが、主人公からよく出てくるんですよね。
やりたいことのために、その努力を惜しまないその姿勢は、何をしてても貫かれていたんです。
まあ、ドラマだからね
はい、ドラマなんですが・・・
私が心動いたのは、パイロットじゃなくても、主人公の自分のやりたいことのために奮闘する姿は
主人公が主人公を生きてるっていう感じが、とっても伝わってきたんです。
何が言いたいかというと、
私たちは、ついつい「〇〇になりたい」とか、誰に話してもわかりやすいものを夢として思い描きますよね。
この番組でいうと、主人公の「パイロットになりたい」です。
でも、パイロットにならなくても、主人公はとってもイキイキと生きているんです。
会社の立てなおしのために知恵をしぼったり、仲間と協力しあったり・・・。
もちろんうまくいかないことや、悩むことだってある。でも、それさえも原動力に変えていくような・・・。
私がこのドラマで見たものは
夢を追う「〇〇になる」っていうのは、自分を生きる上でのひとつのピース、あるいはプロセスでしかなくて
自分を生きていれば、何か特定のものになるとかならないとか、そんなことはどうでもいいんじゃないかって思ったんです。
それぐらい主人公の生き様がとてもよく描かれていました。
だから、主人公がパイロットになることをやめたとき、
「なんであきらめちゃうの~」じゃなくて、「それでもいいんだ」って。
それは「あきらめた」んじゃなくて、「その時やりたいことを選んだだけ」なんだなって、そう思ったんです。
「やりたいこと」に変えていく
でも「自分を生きる」ってどういうこと?
「自分を生きる」って、とっても抽象的でわかりにくですよね。
好きなことで生きる、みたいな?
そうとも言えますが、私はこの番組を見て思ったのは、
「好きなことをする」と「やりたいことする」の微妙な違い。
・・・・?
「やりたいことをする」っていうのは、やらざるをえないこととか、やるべきこととか、誰かのためにとか、
好きじゃないことも含めて、その時やってしまうことだと思うんですよね。
よく言うじゃないですか。
やりたいことをやるために(好きなことをやるためにも)、やりたくないこともやる必要がある、とか。
でも一方で「やりたくないことはやめていこう」というのも、ありますよね。
現に私は、なるべくやりたくないことはやりません。
でも、そうはいっても、やりたくなくてもやらなきゃならないことって生きていればありますよね?
その「やりたいくないけど、やらなきゃいけないこと」を、イヤイヤやっているという後ろ向きな気持ちでやってしまうなら
「やりたいこと」として、「私はやりたいからやっているんだ」「やりたいことをやっているんだ」と意識してやる方が
ずっと前向きな気持ちになり、そこに「自分を生きる」ヒントがたくさんつまっているような気がしたんです。
このドラマでは、主人公がパイロットになる夢とは別の道を歩みはじめましたけど、その姿は決して後ろ向きのものじゃなく、
好きじゃないことでも、やらざるをえないことでも、やりたいことに変えて生きていく姿に、
主人公の「自分を生きる」を見た気がしました。
とらわれない生き方
捉え方がかわると、見える世界も違ってくると言います。
人生って想定外だらけ。好きなことだけで生きることはとても素敵なことだけど、逆に夢をもつことで自分を縛ってしまうことにもなりかねない。
好きじゃなくても、やらなきゃいけないことでも、それらを「やりたいこと」にとして意識してやるなら、
どんなことにも、とらわれずに生きていけるんじゃないかなと思ったんです。
だって、自分がやることすべてが「やりたいこと」になるんですから。
そしてそこに「自分を生きる」世界があると、このドラマを観てそう思ったんですよね~。
なんていうか、もうにじみ出ちゃうっていうかね・・・
だから、主人公が今後どんな道を歩んでいったとしても、主人公は主人公らしく生きていくんだろうなって
そう想起させてくれたドラマでした。
まとめ
NHK朝ドラ「舞い上がれ」で心動いたこと
- 人生は想定外
- どんな選択も「私がやりたいからやっているんだ」という意識になれば、とらわれることなく自分を生きる世界はもっと広がっていく
そんなふうに感じさせてくれたとっても素敵なドラマでした。
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